性行為を行う際に、切っても切れないのが性病のリスクです。
「自分には関係ない!」といって、感染予防対策を行わずに繰り返し性行為を行っていると、自覚症状がないうちに性病に感染してしまったというケースもあります。
性病とはそもそもどのような病気なのか?
性病とは、性行為中の様々な要因によって体内に病原菌が入り、感染してしまう性感染症です。
その症状は、初期段階では自覚症状が無い場合も多く、知らず知らずのうちに症状が進行しているということもあります。
そのまま放置していると、不妊の原因になったり、病気の種類によっては最悪の場合、死に至るケースもあるのです。
代表的な性病とその症状
クラミジア
クラミジアは、日本国内において最も多い性感染症の一つです。
男性にあらわれる症状としては、尿道に炎症が生じて排尿痛が起こり、性器の痒みや尿道分泌液が出ることがあります。
女性の場合は軽いかゆみや痛み、不正出血などがあらわれるのが特徴です。
そのまま放置しておくと、女性は子宮頸管炎などを発症し不妊に繋がることもありますし、男性も男性不妊に繋がる恐れがあります。
男女ともに自覚症状のないことが多いのも要注意です。
淋病
淋病は、男性が感染した場合、クラミジアよりも強い症状が出ることが多いです。
男性が感染した場合の症状として、尿道から黄白色の膿が出るという症状があらわれ、排尿時に痛みが伴います。
女性は、おりものの変化などがあらわれますが、無症状のケースも多く見られるのが特徴です。
妊娠中の女性が感染した場合は特に危険で、早産や破水の原因にもなります。
また、男性も感染を放置することで男性不妊になる恐れもあるので要注意です。
梅毒
梅毒は、長期にわたって症状が進行する性感染症で、感染から10年以上経過することで死に至る可能性もある病気です。
しかし、現在では治療法が確立されているので、通常早期に発見されることがほとんどとなり、命を落とす可能性は低くなりました。
初期の自覚症状としては、赤い発疹やしこりなどがありますので、このような症状が現れればすぐに受診することが重要です。
HIV・エイズ
エイズは、感染から潜伏期間が5年から10年の長期にわたる性感染症です。
初期症状は風邪やインフルエンザと似た症状ですが、数週間程度で症状が治まり、その後、長期の潜伏期間に入ります。
その間、気づかないまま徐々に免疫力が弱くなって行き、そして潜伏期間を過ぎて発症すると、様々な病気を併発するのが特徴です。
免疫力低下の症状としては、急激な体重減少や酷い寝汗・長期間の下痢などがよく見られます。
適切な治療を受けなければ死に至る病ですが、現在では適切な治療を受け続けることでコントロールが可能となっている疾患です。
性交渉前の性病予防法
定期的に検査を受ける
基本的な予防策として、定期的に性病の検査を受けることがおすすめです。
性感染症は早期発見・初期段階での治療が非常に重要ですので、可能ならば毎月の検査、長くても3か月に一回程度の間隔で検査をすると良いでしょう。
性行為の前にはシャワーを浴びる
性感染症の原因となる病原菌は、皮膚や性器など人体の様々な部分に付着しています。
そのため、少しでも性感染症に感染するリスクを減らすために、性行為の前にはシャワーを浴びるよう心がけましょう。
しかし、あくまでも病原菌を洗い流すことによるリスク低下を期待するものですので、100%の感染予防効果があるわけではない点に注意が必要です。
性行為の前に排尿・排便をすませておく
こちらもシャワーと同じで、事前に病原菌を体外に洗い流し、清潔な状態で性行為をするという視点からの感染予防策です。
便の中に存在するウイルスによって経口感染するケースもありますので、性行為の前にしっかりと排尿・排便をすませておくことで、感染リスクを減らすことが可能になります。
しかしながら、これもシャワーと同じで性感染症を100%防ぐことができる予防策でないことに注意しましょう。
口腔内の予防としてうがいも効果的
口腔内にいる病原菌に対しては、うがいをして洗い流すという方法が効果的です。
うがいによって、口腔内の病原菌のほとんどを洗い流すことが可能ですので、性行為の前にしっかりとうがいをしておくことが感染予防策としておすすめと言えるでしょう。
注意点として口腔内を殺菌するうがい薬は、病原菌に対抗するための必要な菌まで殺菌してしまう恐れがあり、性感染症の病原菌対策にも逆効果ですので、使用しない方が良いという意見もあります。
性交渉中の性病予防法
男性コンドームをきちんと使用する
性感染症予防の基本中の基本であり、やはり最も重要な対策であるのが男性コンドームをきちんと使用するということです。
重要なポイントとして、オーラルセックスによる感染を防ぐためにも、その前の時点できちんと男性コンドームを装着しておくことが重要になります。
また、使用する男性コンドームの使用期限が過ぎていないか、ゴムが劣化する環境で保管していないか、根元までしっかりと装着できているかなど、ちゃんと予防できるかどうかの基礎的なチェックもしっかりと行っておきましょう。
潤滑剤(ローション)を使用する
ローションを使用し、性行為中の摩擦・抵抗を減らすことで粘膜や性器からの出血リスクを低減させることが可能です。
このような切り傷を防ぐことが、そのまま性病感染のリスク低減に繋がりますので、性行為中の感染予防策としておすすめになります。
相手の性器を確認し、異変がないかどうか判断する
シンプルな感染予防策ですが、性行為相手の性器を確認し、性病に感染しているかどうか判断するのも手段の一つです。
中々その場で判断するのは難しいかもしれませんが、相手の性器に悪臭や湿疹、赤みなどがあれば要注意と言えますので、性行為を避けるという選択をすることをおすすめします。
性行為中に性器を傷つけないよう注意する
上でも述べた通り、切り傷などの傷口は、そこから病原菌が体内に入るきっかけとなるので、性感染症に感染するリスクも上昇してしまうことになります。
そのため、性行為中は相手の性器を傷つけないようにすることを心がけておくようにしましょう。
具体的には、爪の手入れなどを事前にしておく・無理のある行為は行わないなどの点を留意しておくと良いです。
性交渉後の性病予防法
排尿をする
性行為前の感染予防策として排尿をすませるというのを解説しましたが、これは性行為後でも有効な予防策です。
排尿することで、性行為中に付着した病原菌を体外に流すことが可能ですので、これも有効な感染予防策の一つになります。
性行為後にもシャワーを浴びるようにする
これも性行為前の感染予防策と重複する部分にはなりますが、性行為後にシャワーを浴びるのも有効な予防策です。
性行為中に付着した病原菌や、感染の原因となる可能性のある体液を洗い流せるので、性行為後にきちんとシャワーを浴びるように心がけましょう。
性病予防のまとめ
以上のように、性行為を想定する際には、必ず性感染症予防をきちんと心がけることが何よりも重要です。
性感染症は初期段階が無症状で気づきにくいものも多く、そのため自分のみならず相手まで感染のリスクに晒してしまう事になります。
お互いの身体を守るためにも、事前・行為中・事後と、それぞれ可能な対策はきちんと行うように心がけておきましょう。